更新日: タイムラプスとは?撮影方法やおすすめの撮影シーンを紹介
タイムラプスとは、一定間隔で撮影した静止画を連続で表示する撮影技術です。タイムラプスで撮影した動画は、独特の演出方法による表現が可能なため、企業のPR映像にも広く利用されています。タイムラプスの概要や具体的な撮影方法、おすすめの撮影シーンについてご紹介します。
目次
1.タイムラプスとは何か
「タイムラプス」とは、一定の間隔を空けて撮影した写真を繋ぎ合わせて、早回し再生されているような動画を作成できる撮影方法です。「低速度撮影」や「微速度撮影」と呼ばれることもあり、通常の写真や動画とは違う独特な雰囲気の仕上がりをを楽しめます。これまでタイムラプスの撮影には、高価な機材や専門知識が必要でした。しかし現在では、機材や技術の進歩によって初心者でも気軽にタイムラプス撮影にチャレンジすることができるようになりました。
タイムラプスの意味や仕組み
タイムラプスは、「時間(time)」と「経過(lapse)」を組みわせた単語です。タイムラプスでは、飛び飛びの時間における同じシーンを撮影するため、完成した動画を見ると早送り再生しているように感じます。コマ送りしたパラパラ漫画をイメージすると分かりやすいでしょう。このような仕組みにより、移り行く空や街並み、花の開花など、長時間の事象を短時間で再生することができるのです。
タイムプラスの効果とメリット
長い時間をかけてゆっくりと変わっていく様子をコンパクトに集約できるため、自然の風景はもちろん、作業動画や制作風景にも良く使われています。撮影時間が長時間に及ぶ動画を通常モードで撮影すると、動画のデータ量が膨大になってしまいがちです。しかし、タイムラプスであれば、長時間カメラを回しても短い動画にできるため、データ容量を最小限に抑えることもできます。データが重くなければ、編集ソフトなどに取り込む手間がかからず、編集作業にも時間を取られずに済みます。
また、タイムラプスは 1枚ずつ撮影した写真を使って構成するため、時間の流れや被写体の変化が、より分かりやすくなるといった利点もあります。例えば、風景や人の往来などが変化する様子を短時間にまとめて記録できるため、通常の動画とは異なる雰囲気を演出でき、鮮明な印象の動画に仕上がります。
2.タイムラプスの撮影方法
タイムラプスの撮影方法には、主に
- タイムラプスカメラ
- デジタルカメラ
- スマートフォン
の3つがあり、機材によって撮影方法が大きく異なります。ここでは、主な撮影方法の違いについて説明します。
タイムラプスカメラ(定点観測用カメラ)
「タイムラプスカメラ(定点観測用カメラ)」とは、タイムラプス撮影に特化した専用のカメラのことです。タイムラプスカメラには、タイムラプスの設定項目が内蔵されているため、ガイダンスに従って設定するだけで、簡単にハイクオリティなタイムラプス動画を撮影できます。また、タイムラプスカメラには、「PTZ機能」が内蔵されているといった魅力もあります。PTZ機能とは、遠隔操作でカメラの首振りを制御できる機能のことで、タイムラプス撮影を行いながら、アングルを徐々にズラすことが可能です。これにより、広範囲を撮影できるようになるため、臨場感のあふれる映像を撮影できます。
なおタイムラプスカメラは、機能性や画質、サイズなど、幅広い商品が販売されています。そのため、自分の欲しい機能やサイズなどを十分に考慮したうえで最適な商品を選ぶことがポイントです。
デジタルカメラ
「デジタルカメラ」の多くの機種には、タイムラプスを撮影する機能が標準搭載されています。そのため、説明書やガイダンスに従えば、お手持ちのデジタルカメラでも簡単にタイムラプスを撮影できます。
なお、デジタルカメラを使ってタイムラプスを撮影する場合は、オートフォーカス(AF)を予めOFFにしておく必要があります。なぜなら、オートフォーカスがONになっていると、シャッターを切るたびに焦点が変わってしまい、被写体がボヤけてしまうおそれがあるためです。また、ブレを防ぐために手振れ補正をONにしておくことも、忘れてはならないポイントのひとつです。
スマートフォン
スマートフォンは、iPhoneとAndroidでタイムラプスの設定方法が異なります。
【iPhone】
iPhoneの場合は、iOS8以降であればカメラアプリに「タイムラプス撮影機能」が自動搭載されています。カメラを起動して、タイムラプスモードに変更するだけで、すぐに撮影を開始できます。ただし、撮影時間が1時間を超過する動画は、自動的に30秒まで短縮されてしまいます。そのため、撮影時間が1時間を超える動画を撮影する場合は、タイムラプスカメラ(定点観測用カメラ)やデジタルカメラなどを用意することも検討してみてください。
【Android】
Androidの場合は、機種によってタイムラプス機能が自動搭載されているかどうかが異なります。タイムラプス機能が搭載されていない場合は、google playからタイムラプス撮影アプリをダウンロードする必要があります。自分の目的や希望に合ったタイムラプスアプリをインストールして使用することで、iPhone同様、簡単にスマートフォンからタイムラプス撮影を行えます。
3.タイムラプス撮影での注意点
タイムラプスの撮影には、いくつかの注意点が存在します。
- しっかりと固定する
- バッテリーと容量の確保
- 撮影間隔の設定
これらの点について注意をしなければ、綺麗なタイムラプス動画を撮影することが難しくなってしまいますので、タイムラプス撮影をする際の参考にしてみてください。
しっかりと固定する
タイムラプス撮影では、カメラをしっかりと固定することが重要です。なぜなら、静止画の写真をつなげて1本の動画にするため、カメラが動いてしまうと、ブレたような映像になってしまい、動画のクオリティが下がってしまうためです。カメラを手持ちしての撮影は、ブレが発生する可能性が高まるため、三脚などを使って固定することが理想的です。三脚がない場合は、安定感のあるテーブルなどにカメラを固定して、カメラが動かない状態で撮影します。
なお、撮影中はなるべくカメラに触らないようにしましょう。カメラに触れてしまうと、小さなブレとなって動画に反映されてしまいます。
バッテリーと容量の確保
タイムラプス撮影は、長時間の撮影になるため、バッテリーにも注意が必要です。バッテリーが切れてしまうと、撮影が中断されてしまうため、撮影前には必ずバッテリー残量を確認しておきましょう。なお、バッテリーの能力が十分でない場合には、モバイルバッテリーを用いて給電しながら撮影するのがおすすめです。また、写真を保存するためのデータ容量が不足している場合も、撮影できない要因となります。撮影時間とインターバルから撮影回数を導くことで必要な容量が判明するため、その分の容量を確保するようにしましょう。
例えば、1秒間におよそ30枚の写真を使用する場合、10秒の動画を撮影するのに10秒×30枚=300枚の写真が必要になります。また、撮影のインターバルを5秒に設定する場合は、300枚×5秒=1500秒となり、25分の撮影時間を要します。わずか10秒の動画を撮影するのにも最低25分要するため、さらに長い動画を撮影したい場合や、インターバルを長めに設定する場合は、膨大な時間が必要になります。そのため、タイムラプス撮影をする際は事前に撮影時間を計算して、時間に余裕を持って撮影に臨むと良いでしょう。
撮影間隔の設定
タイムラプスの撮影では、一定の間隔で静止画を撮影する必要があります。撮影間隔、すなわち、何秒に1枚シャッターを切るかですが、被写体の変化や動きに合わせて設定する必要があります。数秒から数十秒程度の間隔を開けることがベターです。被写体、雲、料理、星空など、その状況によって最適な間隔が違いますので色々とテストを行い、ベストな間隔を設定しましょう。
4.おすすめの撮影シーン
タイムラプスでは、時間をかけてゆっくりと状況や状態が変化するものを撮影するのがおすすめです。具体的なおすすめの撮影シーンには、
- 風景・天候
- 作業動画
- vlog動画
などが挙げられます。下記では、タイムラプスを使ったおすすめの撮影シーンを順番に詳しく紹介します。
風景・天候
人や車が行き交う様子や天気、雲の移り変わりなど、規則的に変化する被写体はタイムラプスと非常にマッチします。都心部の交差点をやや高い場所から映したタイムラプス動画は、CMや街中で流れていることも多いため、見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。このようなシーンでは、道路を行き交う人々や車の流れをミニチュアのように表現できます。そのため、時間の経過によって移りゆく街の様子をコミカルに伝えたい場合に最適です。
作業動画
タイムラプスは、長い時間の流れを短時間にまとめて記録できるため作業過程の記録にも効果的です。例えば、商品の製造工程や料理の工程、作品の制作風景を撮影すれば、メイキング動画として活用できます。実際に、動画投稿サイトでも、タイムラプスで撮影したメイキング動画は多く掲載されています。
vlog動画
vlog動画に、タイムラプスが使われるケースも多く見られます。例えば、大きな動きがない場面や、あまり注意深く見られたくないシーンなどをタイムラプスにすることで、飽きずに最後まで視聴者に動画を楽しんでもらえます。
5.タイムラプスを活用して魅力的な動画制作を
今回は、タイムラプス撮影のメリットや撮影方法、おすすめの撮影シーンについてお伝えしました。タイムラプス機能を利用すれば、通常の動画とは一味違う動画を簡単に撮影できます。オシャレなタイムラプス動画は、メディアやSNSでも話題にもなりやすいため、自社のPRやマーケティングの一環として活用してみるのもおすすめです。
本格的なタイムラプス撮影を検討する場合は、映像制作会社に撮影を依頼することもひとつの手です。適切な機材と技術、演出方法により、視聴者の印象に残るタイムラプス動画を制作することができます。
Q&A
Q.雨のときでもタイムラプス撮影は可能ですか?
A.タイムラプスの撮影は、カメラを長時間室外に置くことが多いため、防水機能の搭載された端末を使用すれば可能です。GoProのような防水機能に特化した端末であれば、雨天時の屋外でも安心して長時間撮影を楽しむことができます。
Q.撮影の途中で電池が切れた場合はどうなりますか?
A.製品によって異なるため一概には言い切れませんが、基本的には電池容量がなくなった時点で撮影が自動で終了し、それまで記録した映像は保存されます。撮影が途中で終了してしまうと、はじめから撮り直す必要も出てくるため、バッテリーの残量は入念に確認しておくと良いでしょう。
Q.タイムラプス撮影中に、写真を撮ることはできますか?
A.基本的には、タイムラプスでの動画撮影中に、シャッターを押して静止画を撮影することはできません。ただし、タイムラプスカメラをはじめとする一部の製品は、スチルインムービーに対応している場合もあります。
Q.タイムラプスの撮影に必要な機材にはどのようなものがありますか?
A.タイムラプスの撮影に必要な機材には、以下のようなものがあります。
- カメラ
- レンズ
- 三脚
- インターバルタイマー
- スタビライザー
Q.タイムラプス動画の撮影を外注する場合は、どこに頼めばいいですか?
A.タイムラプス動画の撮影実績のある動画制作会社へ依頼することをおすすめします。
構成やプロジェクトの進行など、予め知見のある会社に相談することでスムーズな撮影を行うことが実現します。
Q.タイムラプス撮影を制作会社に依頼した場合の費用はいくらぐらいですか?
A.タイムラプス撮影を制作会社に依頼した場合の費用相場は、撮影だけなのか編集までなのかで大きく変わります。撮影だけであれば簡単な機材で5万円~可能な業者もありますが、撮影の規模や制作会社によってもコスト相場は変わりますので、気軽に制作会社に相談してみましょう。
おすすめの記事
CONTACTお問い合わせ
TEL:03-3406-7021
RANKING
NEW
ゲームPV・紹介動画を制作するには?事例やポイントを紹介
動画広告の効果的な出稿先は?気になる費用や効果測定指標などを解説
【商用利用OK】BGM素材サイト・無料で使える素材には注意点も!
動画用フリーBGMの注意点!著作権フリーとロイヤリティフリーの違いとは?
【Instagramリール・TikTok向け】無料で使える縦型動画の編集アプリ7選!