更新日: 動画マーケティングの事例を紹介!効果を発揮する手法とは?
近年、動画を用いたマーケティングが大きく注目を集めており、取り入れる企業が増えてきています。しかし「トレンドだから」という安易な理由で始めてしまうと、効果が期待できず予算が無駄になってしまうことも少なくありません。今回は動画マーケティングについて、活用方法や成功事例、効果を出すコツを解説します。
※SNSなどの情報は2023年9月現在の仕様に基づいた内容です
1.動画マーケティングとは?
動画マーケティングとは、映像コンテンツを活用した集客やPR、販売戦略,宣伝活動のことを指します。この記事では動画マーケティングの具体的な効果や、注目されている背景を解説します。
プロモーションやブランディング
動画マーケティングにおいて、得られる効果の一つにプロモーション効果があります。近年ではスマートフォンやタブレットの普及により、動画を目にする機会、そして個人でも投稿する機会が増加しました。
たとえばTikTokやInstagramなどでは、投稿動画の合間に広告などの動画が表示される仕様に変わっています。またYouTubeでは動画の冒頭や中盤などに広告が流れるため、テレビ番組のCMと同じく、インターネットでの動画視聴においても動画広告を目にする機会が多くなりました。その広告動画においてもユーザーに刺さる内容であれば、YouTubeでは急上昇ランキングに掲載されたり、SNSなどで拡散されたりすることがあります。つまり動画マーケティングを効果的に活用することで、多くの人の目に触れるチャンスがあるということです。
また、動画マーケティングを活用することで企業ブランディングにおいても効果が期待できます。たとえば動画にイメージキャラクターを起用したり、企業理念をドラマ仕立てで紹介したりすると、企業の世界観が伝わり、ブランドイメージが具現化され、イメージを伝えやすくなるでしょう。テキストだけでは伝わりにくいブランドの雰囲気も、映像や音楽、テロップ、ナレーションを用いることでユーザーによりイメージしてもらいやすくなることが動画の効果といえます。
動画マーケティングがなぜ今注目されているのか
動画マーケティングが注目されている理由は、以下の3つです。
- 通信(インターネット)環境が整備・普及した
- 動画が身近な存在になった
- 個人で簡単に動画が発信できるようになった
これまで動画を観る機会といえば、テレビ番組が主流でした。しかし通信(インターネット)環境が整備され一般的に普及したことで、スマートフォンを使ってSNSやYouTubeなどの動画をいつでも好きなタイミングで視聴できるようになりました。その中でも動画配信プラットフォームであるYouTubeは一般化が進み、人気も継続していることから、テレビを観る機会が減り、YouTubeを視聴する時間が長くなった、という調査結果も出ています。
またスマートフォンやパソコンがあれば、だれでも簡単に動画の撮影から編集・発信が可能になったため、TikTokやYouTubeなどを中心に動画コンテンツ数は増大し、それを視聴する視聴者、ファンもあわせて増加したことも理由の一つです。「動画」が身近な存在になったことから、多くの人の目に触れる機会として動画マーケティングは有効な手段という理由で注目を集めています。
2.動画マーケティングの事例を紹介
動画マーケティングの事例を4つ紹介します。いずれもさまざまな目的が設定されており、効果的な宣伝力を生み出しています。
【企業の業務紹介】東日本電気エンジニアリング(TEMS)
東日本電気エンジニアリングの業務紹介動画です。2分の短い長さの中で、インフォグラフィックを用い端的にわかりやすく業務を紹介しています。採用を目的とした動画でもあるため、採用サイトととあわせて視聴することで理解が深まります。
【企業の採用動画】株式会社ベルク
スーパーマーケットチェーンを経営する「ベルク」の人事採用を目的とした新卒向けの採用動画です。女性の主人公を設定し、ストーリー性のあるドラマ構成で制作されているのが特徴です。
就職活動の主人公が悩みながらも、働く理由を見定めるというストーリーで展開されていきます。感動できるストーリーであるため、宣伝という意識を排除して観られる動画です。また企業のブランディングとしても活用できる事例でもあります。
【新車の販売促進】メルセデス・ベンツ日本
メルセデス・ベンツといえば「高級車」というイメージを持つ人が多く、そのイメージを払拭するアイデアが必要でした。ターゲットは40歳以下のユーザーであり、これまでとは異なる戦略を持って作られたPR動画です。任天堂のキャラクター「マリオ」を起用することで、子どもの頃にスーパーマリオをプレイしていた世代に刺さりやすい内容に仕上げています。ターゲットの世代は動画を通して親しみが湧き、40歳以下の顧客の来店が増加しました。動画マーケティングの成功事例といえます。
【企業ブランディング】全日本空輸(ANA)/日本航空(JAL)
日本の航空会社として、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の2社は最大手と言えるでしょう。この2社もInstagramを中心に動画マーケティングを展開しています。Instagramに投稿される動画は、スマートフォン視聴に特化した縦型動画であり、多くの人が手軽に動画を楽しむことができます。
全日本空輸(ANA)のInstagramアカウントでは、社員インタビューや客室乗務員のヘアスタイル解説、アイドルグループとコラボした動画など、エンタメ性の強いマーケティング動画が中心となっています。視聴ユーザーにとって身近な存在に映り、親しみやすい印象が持てるでしょう。
日本航空(JAL)では、飛行機の離着陸動画や国内の絶景、空からの景色など、美しさや迫力のある動画を中心に投稿しています。また高画質な動画を使用しているため、視聴ユーザーは高級感や信頼感といった印象を持てるでしょう。
おなじ航空会社ではありますが、マーケティング動画を活用したブランディングには大きな違いがあるため、それぞれ方向性に個性を出した事例とも言えるでしょう。
3.動画マーケティングの活用法
動画マーケティングの活用シーンとして、主に5つの手法があります。ここからは、それぞれの特徴や効果を解説します。
企業HP・LP
企業のホームページやLPなどのWebサイトに動画を埋め込む手法です。LP(ランディングページ)とは、問い合わせや商品の購入など、訪問者に具体的なアクション(行動)を起こしてもらうことを目的とした、1ページの縦に長いWebサイトのことです。
HPやLPに訪れるユーザーは自ら興味を持ってWebサイトを閲覧しています。その中で「動画」は、具体的な興味や関心を高めたいときや、コンバージョンを促したいときの最後の一押しに効果を発揮します。また動画を配置し、視聴させることでユーザーの滞在時間も延びるため、WebサイトのSEOにも貢献することも効果のひとつです。具体的な活用事例としては、「商品紹介動画」「サービス紹介動画」や「採用動画」などが挙げられます。すでに興味を持っている人に向けたコンテンツのため、YouTubeやSNSなどの広告用コンテンツのように短尺である必要や、拡散性を重視する必要はありません。ユーザーが求めている情報をいかに効果的に提供できるかどうかが重要です。
デジタルサイネージ
デジタルサイネージとは、電子看板のことを指し、最近では動画を使用した広告看板が増えています。街中や公共交通機関、商業施設、自動販売機などに設置されている液晶ディスプレイがわかりやすい例です。デジタルサイネージは静止画やスライド、動画などがあり、インターネットに接続できるタイプもあります。紙のポスターやアナログの看板と比較し、動画であれば動きのあるためインパクトを持って伝えたい、わかりやすく表現することも可能です。また、データは簡単に入れ替えられるため、交換のコストは少なくて済む点もデジタルサイネージの強みといえます。新たなマーケティングツール、コミュニケーションツールとして注目を集めており、取り入れる企業が増えている手法です。
SNS広告
SNSのプラットフォームに動画コンテンツを広告出稿する手法です。SNSの普及に伴い、情報収集はSNS中心という人も増えていることから、自社の商品やサービスに興味を持つターゲット層に向けて発信することで顧客獲得につなげやすくなります。そのためには、SNSそれぞれの特性や利用者層など様々な要素を分析し、どのようなやり方でマーケティングを行うと効果が出るのかを見極める必要があります。代表的なSNSの例としては以下の5つです。特徴を簡単に紹介します。
X(旧Twitter)
Xは140文字の短い文章を投稿できるSNSです。※有料会員の場合は全角2,000文字(半角4,000文字)まで可能。「リポスト」と呼ばれる機能によって、自身のフォロワーに対して手軽に情報を拡散できるため、拡散力に優れたSNSの代表格です。
Instagramは、画像や動画といった視覚的コンテンツに特化したSNSです。最近ではシニア層も増えつつありますが、Z世代や20代〜30代の女性利用者の人気が根強い点に特徴があります。とくに「ストーリーズ」と呼ばれる24時間で消える動画・写真共有機能が人気です。手軽に投稿できる機能であることから、Instagramでは日々多くの動画コンテンツが制作・配信されています。
Facebookはリアルな知り合いを中心とした交流をネット上でおこなえるSNSです。実名登録制で、若年層のユーザーが少なく、メインユーザーは30〜40代であることが特徴です。Facebookには個人アカウントに加えてビジネスアカウントという機能があります。ビジネスアカウントでは、ビジネス目的で利用する人を想定した機能であるため、ビジネス目的の動画にも注目が集まりやすい環境といえるでしょう。イベント告知や参加者募集などもFacebook上で完結できるため、企業の広報ツールとしても利用しやすい点も魅力です。
YouTube
YouTubeは世界でもっともメジャーな動画共有プラットフォームです。日本国内においても、老若男女問わず多くのユーザーに利用されており、「テレビ番組は観ないがYouTubeは観る」という調査結果も出ているほど大きな影響力を持っています。ユーザー数の多さと年代の幅広さは、そのまま潜在顧客の多さにつながるため、YouTubeの市場規模は非常に大きなものであるといえるでしょう。
TikTok
TikTokは、短尺の動画をシェアできるスマートフォン向けの動画配信サービスです。リリースは2016年と比較的新しく誕生したSNSであり、Z世代を中心に人気を集めています。だれでも簡単に凝った編集ができる機能が充実しているため、訴求力の高い動画コンテンツが制作されやすいSNSです。
交通機関での広告
電車やバス、飛行機など交通機関の車両や車内にあるデジタルモニターに動画広告を出稿する方法です。電車車両でいえば、以前はポスターなどが配置されていたドア上の壁面に、デジタルモニターが設置された車両が多くなりました。乗客の多くが視線をあわせる場所であり、交通機関は多くの世代が利用する場所のため、多くのインプレッションを得られる、というメリットがあります。ただしオンライン媒体のようにターゲットを指定できないため、興味・関心を引くところまでの効果があるかといえば難しいかもしれません。多くの人への認知、拡大を目的としたい場合には有効です。
展示会やセミナー
展示会やセミナーなどで動画コンテンツを見せる方法です。展示会の場合、ブース前で流すティーザー動画や、ブースに訪れた人に商品やサービスを紹介するための動画などがあります。動きのあるティーザー動画を設置することでブース前を通る人が興味をもち、足を止めさせる効果が期待できます。またブース内に訪れた人に紹介動画を見せることで、購買意欲を掻き立て、購入数や契約数の増加につなげることが可能です。
4.効果を発揮するための手法とは?
動画マーケティングの効果を最大限に発揮するためには、いくつかのポイントを意識する必要があります。詳しくみていきましょう。
目的やターゲット、KPIを明確にする
まずはどんな目的で動画を発信するのか、目的を明確にすることが大切です。動画コンテンツの目的を明確に設定することで、効果的なメッセージを伝えることができます。逆に目的が不明確なまま制作を進めてしまうと、ターゲットに伝わりにくいコンテンツになってしまい、費用対効果も下がる要因となります。またターゲットを明確にすることも重要です。年齢や性別、職業、興味関心などの具体的な情報を洗い出し、その情報に基づいて適切なコンテンツを制作する必要があります。
そしてKPI(目標)設定も忘れずにおこないましょう。動画マーケティングに必要なKPIは、「再生回数」「クリック再生率」「視聴維持率」「コンバージョン率」などが挙げられます。目的に合ったKPIを設定し、達成可能な範囲で期間を定めて具体的な数値を設定します。マーケティングはPDCAサイクルを回すことが重要であり、試行錯誤を繰り返して進めていくものなので、期間を決めることは必要な要素です。
活用媒体を目的・ターゲットに合わせて選ぶ
目的・ターゲットを設定できたら、次は適した媒体を決めましょう。各媒体によって、ユーザー層や特徴が異なるため、ターゲットとする層に適した媒体を動画の配信先として選ぶ必要があります。配信媒体を決めることで、動画のイメージや長さなども決まってきます。
- 認知拡大させたい場合:潜在層にリーチできるSNSやディスプレイ広告を活用する
- 商品の購入を促したい場合:見込み客に理解を深めてもらうために、自社サイトやECサイトに商品やサービスの紹介動画を埋め込む
- ターゲットをZ世代にしている場合:若年ユーザーが多いTikTokやInstagramなどを検討する
上記のように、目的やターゲットによって適した媒体が異なるため、活用媒体を選ぶ際はよく吟味しましょう。
印象に残りやすく、視覚的にもわかりやすい構成にする
動画マーケティングでは、最初の3〜5秒が肝心といわれています。動画の冒頭に強いインパクトを与えることでユーザーの心をつかみ、離脱を防ぐ効果があります。
また視覚的にもイメージしてもらいやすくするため、映像や音声、効果音を効果的に使いましょう。注意点としては、動画のクリエイティブを追求しすぎないことです。凝った内容に執着してしまうと、ユーザーのニーズからかけ離れてしまうケースも少なくありません。常に顧客視点で考えることを忘れないようにしましょう。
制作会社へ外注する
自社で動画制作に精通したスタッフがいない場合は、制作会社へ依頼することも検討しましょう。マーケティングを含む動画制作は、企画から制作、分析まで専門知識が求められるため、専門性の高い分野です。自社制作で費用を抑えることは可能なものの、未経験者が制作した場合は効果の出ない動画に仕上がるケースも少なくありません。制作会社へ依頼すると一定の費用はかかりますが、結果的に自社制作よりも高い費用対効果が得られる可能性も高くなります。予算設定と目的や目標に見合う総合的な選択をすると良いでしょう。
5.事例やポイントを踏まえ効果的な動画マーケティングを!
動画マーケティングは注目を集める手法ですが、単純に取り入れただけでは効果を期待できません。企画を入念に練り、一定の期間を区切って分析をしながら適宜見直すことで、効果的なPRにつながります。今回解説した成功事例やポイントを押さえながら、効果的な動画マーケティングを行っていきましょう。
Q&A
Q.動画制作を制作会社に依頼した場合の料金相場はいくらですか?
A.動画の内容やどこまで制作会社が携わるかによって大きく左右され、10万円〜1,000万円までの幅があります。あくまで目安ですが、たとえばSNS広告の場合は20万円〜、YouTube広告動画の場合は50万円〜が相場です。
Q.動画制作を制作会社へ依頼するときに気を付けるポイントは?
A.依頼の際に確認しておきたいポイントは以下の4つです。
- 制作実績の数
- 依頼したい内容の制作実績の有無
- アフターフォローなどのサポート内容
- 費用やクオリティ
Q.動画マーケティングの効果は何ですか?
A.自社サービス・商品の宣伝効果が高いことです。実際に映像で見せることにより、魅力やメリットを理解してもらいやすくなります。また話題性の高いコンテンツであれば、SNSを通じて拡散され、認知拡大や購買促進に大きな効果も期待できます。
Q.動画マーケティングのやり方はどんなものがありますか?
A.以下のような手法があります。
- 企業HP・LP
- デジタルサイネージ(電子看板)
- SNS広告
- 交通機関での広告
- 展示会やセミナー
Q.なぜ動画マーケティングが重要なのですか?
A.通信環境の普及により、スマートフォンやタブレットを通じて動画を視聴する機会が増え、身近な存在になったからです。魅力的な動画であれば拡散されやすく、多くの人に認知してもらうチャンスがあります。
CONTACTお問い合わせ
TEL:03-3406-7021
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