更新日: Instagramのリールとは?企業アカウント運営での動画活用ポイントを解説!
Instagram(インスタグラム)は2022年時点で世界の月間利用者数14億7,800万人を誇る人気SNSとなっています。そのInstagramに「リール(Reels)」という機能が2022年8月に追加されました。動画コンテンツが注目を浴びるいま、本記事では企業アカウントにおいてリールを活用するメリットや動画制作のポイントを、アルゴリズムの解説や事例を通して紹介していきます。
※2024年1月現在の仕様に基づいた内容です
目次
1.リール動画とはショート動画の投稿や視聴ができる機能
Instagramのリールとは、短尺形式の縦動画を作成・投稿・視聴できる機能です。
最長90秒の動画を作成でき、縦横比9:16サイズのスマートフォンではフルスクリーンとなるトレンドの縦動画であるというのが特徴となっています。またリール機能の大きな魅力として、充実した編集機能もあげられるでしょう。
リールの表示場所
リール動画が表示されるのは、「リールタブ」「フィード」「発見タブ」「プロフィールのリール欄」の4つとなっています。
①リールタブ
アプリ画面下のタブを開くと、最初から全画面でリール動画が再生されます。フォローしているユーザー、そうでないユーザー関係なく双方の動画が表示され、形式としてはTikTokに似た表示となっています。
②フィード
通常投稿と同様にフィード欄に表示されます。動画をタップすると全画面での表示に変わります。なお、リール投稿時にフィードに表示させない設定にすることも可能です。
③発見タブ
タブを開いたときのおすすめ投稿一覧や検索後のおすすめ投稿一覧に通常投稿に混ざり表示されます。
④プロフィールのリール欄
そのユーザーがリールを1つでも投稿していると、プロフィール画面にリールアイコンがついたタブが追加されます。そこをタップすることで、それまで投稿してきたリールが一覧で表示されます。
どの表示場所においても共通して、リールが全画面で表示されている時に画面をスクロールすれば次の動画が再生されます。またこれらの表示場所以外でも、リールをストーリーズに共有し表示させることも可能です。
ストーリー/インスタライブとの違い
Instagramにはリールの他に動画を用いた機能として「ストーリー」「インスタライブ」の2つがあります。
①ストーリーとの違い
まずリールとストーリーの大きな違いとして、ストーリーは24時間で投稿が自動的に消えてしまう点です。先ほどリールの表示場所で紹介した通り、リールは投稿したユーザーのプロフィール内にあるリール欄に残り、掲載期間の制限はありません。しかしストーリーは基本的にその日限りの掲載期間に制限されています。また動画の尺にも違いがあり、リールは最長90秒の動画を投稿可能なのに対し、ストーリーは最長60秒となっています。さらに、動画が表示されるしくみにも違いがあり、リールはフォローの有無関係なくフィードや発見タブに表示されます。しかしストーリーは投稿時、フォロワーのホーム画面のみに表示されるため、必然的に視聴するのもフォロワーに限られます。
②インスタライブとの違い
インスタライブは最大4時間の生配信を行えるライブ配信機能です。リールと違いリアルタイムでの動画配信となるため、その場で視聴者とのコミュニケーションがとれたり、反応を受け取れたりするのが特徴です。インスタライブの掲載期間は基本は配信中のみですが、ライブ配信終了時に設定を行えば、リール動画と同様にプロフィールのリール欄、フィード欄に残ります。またインスタライブの配信表示がされるのも、ストーリーと同様にフォロワーが中心となるため、リールと異なり視聴者もフォロワーに限られます。
TikTok/YouTubeショートとの違い
Instagramのリールに似た他のSNSの縦動画コンテンツとして、TikTok、YouTubeショートがあります。
①TikTok
TikTokではアプリを開いた瞬間から全画面で動画が再生されますが、Instagramリールはアプリを開いた後に先ほど紹介したそれぞれの表示場所に行き、リールをタップしなければ全画面では表示されません。
②YouTubeショート
YouTubeショートもInstagramリールと似たように、ホーム画面のおすすめ動画2段目や、ホーム画面下部の「ショートタブ」を開くと全画面で動画が表示されます。また、チャンネルのショートタブをタップすると、ショート動画が一覧で表示されます。Instagramリールとの違いとしては、動画の尺がYouTubeショートは最長60秒となっており、Instagramuストーリーと同じくリールよりも短くなっています。
Instagramリールには、TikTok、YouTubeショートとの共通した大きな違いもあります。キャプションに記載できる文字量はTikTokが最大150字、YouTubeショートが最大100字となっているのに対し、Instagramリールは最大2,200字と圧倒的な文字数を記載することができます。また、視聴目的にもTikTok、YouTubeショートとは違いがあります。この2つは動画専門アプリであるため「動画を見る」という明確な目的からユーザーは視聴をしますが、Instagramリールは通常の画像投稿に混ざったリールの表示もされるため、視聴者が意図せずに視聴する場合も多いです。そのためユーザーの新しい発見といった形での新規視聴がより見込まれるでしょう。
2.リールの活用方法と事例
Instagramリールには、企業アカウントを運営するにあたって様々な活用方法があります。いくつかの事例とともに、その活用方法の種類についてご紹介していきます。
リール広告
2021年6月より、縦動画のリール広告の提供が開始されました。リールタブ、フィード、発見タブの3つの場所に表示されるため、様々なユーザー層へのアプローチが可能な広告となっています。また通常のリールと同様にいいねボタンやコメント機能が搭載されており、リールタブでは通常リール投稿の間に挿入されるため、広告感が抑えられておりユーザーから受け入れられやすい広告配信にすることができます。さらに、リール広告に表示される下部のボタンからすぐにランディングページ、ホームページへと誘導できるのも特徴です。
ハウツー紹介(3COINS公式アカウント)
3COINS公式アカウントでは、商品紹介、店舗紹介などの他に、商品の使い方を解説するハウツー紹介のリールも多く投稿されています。ハウツーの説明は画像や文章だけでは難しいため、リールによる動画説明をすることでユーザーに分かりやすく伝えることができます。また、このリールで取り扱われているフィルムチェアはアウトドア用であるため、それに合わせて動画は屋外で撮影されており、出演者の服装などもテーマに沿っているため、より実際の使用感を想像しやすいリールにもなっていると言えるでしょう。
学校紹介、PR(立教大学公式アカウント)
Instagramでは大学を始めとし、公式アカウントを開設している学校も増えてきています。そのひとつの立教大学公式アカウントでは、キャンパス内の風景紹介、行事紹介、PR動画などを始めとした学校紹介動画を中心にリールで投稿し、魅力を発信しています。直近では箱根駅伝の応援動画が注目されました。このリール投稿では、動画自体はシンプルですがリールに搭載されているクイズ機能を活用し、視聴するユーザーにクイズを楽しんでもらいながら学校の魅力を伝えることができています。
サービス紹介(HIS公式アカウント)
HIS公式アカウントでは、様々な旅行先の地域へ実際にトラベルレポーターが向かい、その観光地やグルメなどの美しい映像を中心にリールで発信しています。細かいカット割りで多くの風景を伝えており、さらにホームビデオのようなカジュアルな撮影の動画となっているため、視聴するユーザーに旅行の雰囲気が伝わりやすく親近感の湧くリールにもなっています。
商品紹介(神戸レタス公式アカウント)
人気ファッション通販サイト、神戸レタスの公式アカウントでは新商品の紹介や商品を使ったコーデ紹介などの投稿がされています。リールでは商品を使用した1週間コーデや気温別のアウターコーデなど、複数のコーデを動画で一気に視聴できるものが投稿されています。また、社長の出演など意外性を持ったリールは、他のリールと比べても再生回数が多いです。さらに、ターゲティングも細かくされており、このリールでは低身長の女性に向けたアウターコーデを実際に低身長のスタッフが出演し紹介しています。
3.リールのアルゴリズム
Instagramのリールに関するアルゴリズムの解説が、2023年5月に公式サイトで公開されました。また様々なガイドラインも公開されていますので、ここではその情報をもとに解説します。
※Instagramのランキングを解説(2023年5月31日)
※Instagramの「おすすめ」でクリエイターが知っておくべきこと(2022年8月30日)
リールのランク付け
ランク付けでは、フィード、発見タブ、リールは共通してユーザーの過去のアクティビティを中心に投稿に対する興味の度合いをシステムで予測し、並び替えを行います。また特定のリール動画について見る価値があったか楽しかったかを尋ねる利用者アンケートを実施しており、そこで得たフィードバックをもとに、楽しいと思ってもらえるリール動画を正確に見極められるようにもなっています。重要な予測項目は、リール動画を再シェアする可能性、最後まで見る可能性、「いいね!」する可能性、音源ページに移動する可能性(自分もリール動画を作ってみたい気持ちになったかどうかの尺度)です。特に重要なシグナルをおおよその重要度順に示すと以下になります。
①ユーザーのアクティビティ
最近「いいね!」、保存、再シェア、コメントをしたり、反応を示したりしたリール動画などです。こうしたシグナルは、関連性が高そうなコンテンツを把握するのに役立ちます。
②投稿者とのやり取りの履歴
[発見]タブの場合と同様、たいていの動画は見ず知らずの人が作成したものですが、関わりを持ったことがある投稿者の場合は、その投稿者の投稿に対するおおまかな興味の度合いが分かります。
③リール動画に関する情報
動画のコンテンツに関するシグナルです。動画で使われているオーディオトラックや映像などのほか、動画の人気度なども含まれます。
④投稿者に関する情報
広い範囲の投稿者から魅力的なコンテンツを探し出し、誰もがオーディエンスを見つけるチャンスを得られるように、フォロワー数やエンゲージメントの度合いといった人気度のシグナルを考慮します。
おすすめに表示される条件
リールだけでなく、Insutagramにおいて投稿がおすすめに表示されるためには条件があります。
①おすすめに関するガイドラインに従っていること
おすすめのコンテンツはフォロワー以外の利用者に表示されるため、フォロワーに表示できるコンテンツよりも厳しい基準が設けられています。おすすめに関するガイドラインに違反するコンテンツには、
- 暴力を描写している可能性があるコンテンツ
- 特定の規制対象商品の使用を奨励するコンテンツ
- 性的に露骨な表現や性的な内容を示唆するコンテンツ
などがあります。なお、ガイドラインに違反するコンテンツを繰り返し投稿した場合や、違反する内容をプロフィール写真や自己紹介に掲載した場合、アカウント全体がおすすめの対象から除外され、すべてのコンテンツが一定期間おすすめに表示されなくなる可能性があります。
②コミュニティガイドラインに従っていること
コミュニティガイドラインはInstagramのすべてのコンテンツに適用されます。コミュニティガイドラインに違反するコンテンツは削除され、こうしたコンテンツを最近投稿した場合や繰り返し投稿した場合は、アカウント全体がおすすめの対象から除外される可能性があります。
③設定を確認すること
アカウントが公開されていることを確認してください。おすすめには、公開アカウントのコンテンツのみが表示されます。クリエイターアカウントまたはビジネスアカウントを使用している場合、アカウントは自動的に公開されます。
4.リールを活用するメリット
ここでは、Instagram企業アカウントにおいてリールを活用するメリットを3つご紹介します。
フォロワー外への新規アプローチがしやすい
Instagramのリールは、その他の投稿(通常投稿・ストーリー・インスタライブ)に比べ表示場所がかなり多いのが特徴です。発見タブに掲載されるだけでなく、独立した「リールタブ」が存在することにより動画がフォーカスされやすくなっていると言えるでしょう。発見タブ、リールタブではどちらもフォローしていないユーザーの投稿が表示されるため、新規ユーザーの視聴に繋げるアプローチがしやすくなっていいます。
バズりやすい
先述の通りInstagramのリールはフォロワー外に表示される仕組みが色濃くあり、新規ユーザーへのアプローチが積極的に行えます。そのため拡散力も強くなります。また動画コンテンツは通常投稿の画像に比べ、情報量、インパクト、話題性などを持たせやすいです。質の良い動画を制作することでよりバズる可能性をあげることもできるでしょう。
手軽かつ没入感が高い
これまで動画コンテンツの主流となっていた横動画は、スマートフォンで視聴する場合画面に合わせた縮小したサイズか、スマートフォンを横向きにして視聴しなければなりません。しかし縦動画であれば動かす必要なくフルスクリーンの没入感が高い動画を楽しむことができます。またリールは最長でも90秒という動画尺になっていることに加え、スワイプするだけで次の動画が再生されるため、サクサクと手軽に視聴することができます。
5.リール動画を作成するときのポイント
リールをより多くのユーザーに視聴してもらい、企業認知度を向上させるためには質の高い動画制作が必要となってきます。そのためのポイントを解説します。
冒頭にインパクトを持たせる
リールはその手軽さから、サクサクとユーザーに視聴されます。そのためインパクトの薄い動画では、すぐに次のリールへと流れていってしまう可能性も高くなります。しっかりとリールを見てもらうためには、動画冒頭にインパクトや意外性を持たせ、ユーザーの興味を引けるようにしましょう。
テーマやストーリー性を持たせる
リール動画ではその構成がかなり重要な要素です。お客様からの質問に答えるテーマであったり、「この商品実は…」などといった惹きつけるワードからオチをつけたり、月曜日〜日曜日の一週間コーデを見せたり、などといった流れやストーリー性のある構成の動画を作成することを意識しましょう。このような展開によりユーザーは引きつけられ、また楽しんで視聴することができるため、最後までリールを再生してもらう視聴完了率も向上させることができるでしょう。
短い尺でテンポよく展開する
TikTokやYouTubeショートの普及などから縦動画の人気は高まっていますが、人気の要因として動画の短さがあります。タイムパフォーマンスが重要視され、様々な動画をスピーディーに視聴しすぐに楽しめる動画の需要が高まっていると言えるでしょう。情報を詰め込みたいからといって、90秒をフルで使った動画にこだわる必要はありません。できる限り短尺で、テンポのよい動画になるよう意識しましょう。
テロップ・BGMなどををつける
より分かりやすく動画で情報を伝えるときには、テロップも必須となるでしょう。特に、テンポのいい短尺の動画を目指すリールではスピード感も早いため、映像のみでは情報が伝わりにくくなる可能性もあります。そのため、テロップを加えることでテンポ感を保ちながら分かりやすいリール動画にすることができるでしょう。また、フルスクリーンの縦動画にさらなる没入感を演出するためにもBGMをつけることをお勧めします。インスタのミュージックライブラリから人気の音源をBGMとして用いることで、注目度アップも見込まれます。編集段階で動画自体にBGMを入れる場合は、著作権の所在は確認する必要があるので注意が必要です。
6.リールを活用して認知度を高めよう!
近年SNSアカウント、特にInstagramのアカウントを運用する企業も増えてきています。また、TikTokやYouTubeショートといった縦画面で視聴する短尺動画の人気、需要もさらに高まってきています。企業Instagramアカウントでリールを活用し、質の良い動画を発信することで、企業の認知度アップだけでなくPRやイメージアップにも繋がるでしょう。クオリティの高いリール動画にするためには、全て内製では難しい場合もあるため、広告代理店や動画制作会社を利用することも検討してみてください。
7.Q&A
Q.リールの特徴は何ですか?
A.縦横比9:16で最長90秒の短尺動画を投稿、視聴できます。リールは同じInstagram内のストーリー、インスタライブとは違い投稿が消えることなく残る特徴があります。そして表示される場所も2つと比べて多くあります。またTikTok、YouTubeショートと比較しても、キャプションに記載できる文字量が2,200字と圧倒的に多く、充実した編集機能も特徴です。
Q.リールのメリットは何ですか?
A.多くの表示場所を持つため、フォロワー外に表示されることも多いことから、新規ユーザーにアプローチしやすくなっていることです。さらに手軽かつ没入感の高いフルスクリーン動画のためバズる可能性も高いこともメリットです。
Q.リールの活用方法の種類は何がありますか?
A.企業アカウントにおいては以下の5つが代表的な活用方法として挙げられます。
- リール広告
- ハウツー紹介
- 学校紹介、PR
- サービス紹介
- 商品紹介
Q.リール動画を作成する際のポイントを教えてください。
A.以下のポイントを意識して作成することをお勧めします。
- 冒頭にインパクトを持たせる
- テーマやストーリー性を持たせる
- 短い尺でテンポよく展開する
- テロップ・BGMなどををつける
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