BGM（バックグラウンドミュージック）は動画において重要な役割を果たします。しかし、そのBGMを数ある素材サイトのどこで選ぶべきか、迷ってしまった経験はありませんか？この記事では、BGM素材を見つけられるサイトを「無料」「有料」のそれぞれで比較します。ぜひBGM探しに役立ててみてください。

※2024年9月現在の情報になります

関連記事として、BGMの「著作権フリー」「ロイヤリティーフリー」の違いなどを解説したものがありますので、こちらもあわせて参照してみてください。

動画用フリーBGMの注意点！著作権フリーとロイヤリティフリーの違いとは？

1.無料サイトか有料サイトか？

動画制作において、BGMは映像の魅力を高める重要な要素です。BGM素材を提供しているサイトには、無料サイトと有料サイトが存在し、どちらを利用すべきか迷う方も多いでしょう。動画制作者がBGMを選ぶ際に知っておくべき、無料サイトと有料サイトの違い、それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

【無料サイト】メリット

無料BGM素材サイトの最大の利点は、その名の通り「無料」であることです。特に個人や小規模なプロジェクトの場合、限られた予算で制作を進めなければならないため、コストを抑えられる無料サイトは非常に魅力的です。多くの無料サイトでは、幅広いジャンルの音楽を提供しており、簡単にダウンロードできるため、手軽にBGMを利用することができます。

また、試しに使ってみたい場合や、短期間で多くの素材を確認したいときに、無料でアクセスできるのは大きな利点です。

【無料サイト】デメリット・注意点

一方で、無料サイトにはいくつかのデメリットも存在します。まず、提供される素材の品質が一定でないことが多く、商用利用を目的とする動画制作には適さない場合もあります。また、人気のある曲は多くのクリエイターに使われているため、独自性に欠ける可能性があります。

さらに、無料で利用できる範囲には制約があることも多く、商業利用や特定の用途ではライセンスやクレジット表記、サイトへの報告や申請が必要になることがあります。そのため、使用前にライセンスや利用規約の細かな確認が必須で、意外な手間がかかることも少なくありません。金銭的なコストは抑えられるものの、著作権侵害のリスクや、時間的なコストがかかってしまう可能性があることを注意しましょう。

【有料サイト】メリット

有料BGM素材サイトの最大の魅力は、高品質な素材が揃っている点です。プロの作曲家やミュージシャンが手がけた楽曲が多く、動画の内容やテーマに合わせて、より精度の高い選曲が可能です。さらに、有料サイトでは素材の数が豊富で、ジャンルや雰囲気に合わせた細かい検索ができるため、理想的なBGMを見つけやすいというメリットがあります。

また、商業利用や長期プロジェクトにも安心して利用できるライセンスが提供されているため、著作権に関するトラブルを回避しやすいのも有料サイトの強みです。

【有料サイト】デメリット・注意点

もちろん、有料サイトを利用する際には費用が発生します。サイトによっては、単曲ごとの購入や、月額・年額のサブスクリプション形式で料金を支払う形態がありますが、どちらにせよ予算に余裕がない場合には負担に感じることもあるでしょう。特に、個人の趣味や非営利目的での動画制作では、有料BGMサイトのコストが大きなハードルとなるかもしれません。

しかし、クオリティやバリエーションの豊かさを考慮すると、そのコストに見合う価値があると感じるクリエイターも多いです。

自分に合ったBGMサイトを選ぶために

無料サイトと有料サイトのどちらを選ぶべきかは、プロジェクトの規模や予算、目的によって異なります。もし個人で趣味として動画を制作するのであれば、無料サイトで十分に満足できるかもしれません。一方、商業的な動画や大規模なプロジェクトを手掛ける場合は、クオリティの高いBGMを提供する有料サイトを利用することで、より高品質な作品に仕上げることが可能です。

また、無料と有料を組み合わせて使用する方法もあります。たとえば、無料サイトでベースとなるBGMを選び、必要に応じて有料サイトの素材を追加することで、コストを抑えつつクオリティも確保できます。

2.【無料】BGM素材サイト

無料のBGM素材サイトの良さは、なんといっても費用がかからないことでしょう。予算を抑えたい場合や手軽な動画編集を行う場合に最適です。ただし、無料のBGM素材サイトの多くは個人で運営されているものが多いため、保有楽曲数は少ないことが多いです。他の動画とBGMの被りを避けたい場合や、クオリティの高い動画を目指す場合には有料サイトをおすすめします。

以下ではおすすめの無料BGM素材サイトを特徴を比較しながら3つ紹介します。

DOVA-SYNDROME

※画像｜DOVA-SYNDROME 画面

DOVA-SYNDROMEの魅力は、無料にも関わらず豊富なBGM楽曲数から使用できる点です。2024年9月現在、16,700曲以上のフリーBGMが登録されています。検索方法の幅広さや、検索結果に時間、ループの可否、ダウンロード数など様々な情報を確認できるため、非常に使いやすいフリーBGM素材サイトです。

魔王魂

※画像｜魔王魂BGM検索画面

2004年にオープンされた国内のフリーBGMサイトです。動画用のBGMだけでなく、ゲーム向けのBGM素材やボーカル入り／無しのカラオケ素材のような歌もの素材といった、豊富かつクリエイターに最適なBGM素材が揃っています。さらに規約に関しても自由度が高く、コンテンツ制限や使用報告は無く、商用利用も可能です。ただし著作の表記は必要であり、その他最低限の規約もありますのでしっかりと確認をして使用しましょう。

YouTube Audio Library

※画像｜YouTube Audio Library 画面

YouTubeが提供する無料の音楽ライブラリで、YouTube動画を制作する際に使用できます。数千曲の音楽と効果音が揃っており、ジャンルやムード、時間、楽器といった詳細な条件で簡単な検索できます。

ただ使用の際はいくつか注意点があります。ライセンスタイプが「CC」と表示がある楽曲の場合、動画概要欄にクレジット表記が必要です。また、利用規約としてはYouTube以外で利用する場合は著作権侵害となってしまう可能性があります。このリスクを避けるためにも、使用はYouTube内のみとした方が良いでしょう。

3.【有料】BGM素材サイト

有料のBGM素材サイトは、無料のサイトと比較し楽曲保有数が圧倒的に多いです。また、検索機能や楽曲自体の質も良いものが多いため、最適なBGMを探し動画のクオリティを上げるには有料BGM素材サイトを使用するのがおすすめです。動画制作のプロジェクト数が少ない場合やBGMの使用頻度が少ないユーザー、商用利用などを行わないといった場合には、手軽にBGMを探せる無料版もおすすめです。

以下ではおすすめの有料BGM素材サイトを、特徴と費用感を比較しながら紹介します。

Audiostock

※画像：Audiostock｜BGM検索画面

Audiostockは日本を拠点とするライセンス会社で、日本最大級の著作権フリーBGMおよびSEのストックサービスです。国内サイトのため操作感・検索方法がわかりやすく、日本語のボイス素材なども豊富のため、日本で活動する動画クリエイターにとって非常に使いやすいと言えるでしょう。長さやジャンルといった基本的な条件検索だけでなく、用途・楽器・シーン・イメージなど、それぞれ豊富かつ詳細な選択肢にチェックを入れることで、BGMの候補がまだ定まっていなくとも、感覚的に最適なものを探し出すことができます。

さらにYouTube投稿の際、「著作権侵害申し立て」のアラートが確実に出ない仕組みとして、Audiostockが YouTube Content IDに登録済みの「YouTube安心利用曲」の表示とそれに絞ったBGM検索も可能です。、企業アカウントやYouTubeで活動するクリエイターにとっても安心なBGM探しができるのも大きな魅力です。

【料金】

Epidemic Sound

Epidemic Soundは、主にYouTuberやコンテンツクリエイターに人気の音楽配信サービスで、40,000点以上の楽曲、90,000点以上の効果音（SFX）と非常に豊富な音楽素材が使用できます。プラットフォームには独自の音楽カタログがあり、様々なジャンルやスタイルの高品質な楽曲が利用可能です。さらに、ライセンス問題を一括で解決するシステムが整っており、動画の収益化に影響を与える心配も少ないです。

さらにERA（Epidemic Audio Reference）という機能を使用すれば、特定の楽曲の一部を選択して、その部分に似ている曲をAIによって自動で見つけ出すこともできます。「この曲のもう少し違ったバージョンが欲しい」「イメージは大体合っているけど惜しい」といった時に、かなり便利な機能と言えるでしょう。

【料金】

※商用利用は期間限定オファー中の料金　通常は3,600円／月

Artlist

Artlistは、高品質な楽曲と使いやすいライセンス条件で人気のBGM素材サイトです。多くの著名アーティストが楽曲を提供しているため、BGMクオリティが高いことが特徴です。定額制で、どの楽曲も商用利用が可能なため、映画、広告、プロモーションビデオなど、あらゆるプロジェクトに対応できます。無制限にダウンロードできるプランも提供されており、幅広いジャンルの楽曲が揃っているため、ユーザーのニーズに合わせて選ぶことが可能です。

※画像｜Artlist Voiceover

また、新機能としてAI Voiceover（AIナレーション機能）がローンチされました。この機能最大の魅力は圧倒的なクオリティの高さです。AI音声でありながらイントネーションや感情の再現が可能であり、AIとは思えない出来栄えになります。英語が中心の機能になりますが、インバウンド向けの動画を作成する際などには大幅なコストと制作時間の削減になる画期的なサービスです。文章生成AIと組み合わせれば、英語スキルに関係なく手軽にナレーションを作成することも可能です。

ただ、Artlistは他のサイトと比較して、楽曲を使用した動画をYouTubeにアップロードした際、「著作権侵害申立て」のアラートが表示されることが多いようです。このアラートが来てしまった場合、ライセンス情報を記載した「異議申し立て」作業をしなければならなかったり、取り下げまでの間収益化が停止されるなど、手間がかかってしまいます。商用利用の場合このようなトラブルは極力回避すべきのため、注意が必要です。

【料金】

Shutterstock

※画像｜Shutterstock BGM検索画面

主に画像素材がメインサイトではありますが、音楽に関しても34,000点以上のロイヤリティーフリーの楽曲数から選択することができます。特に検索結果画面には、15秒／30秒／60秒のショートパターン、ループパターン、ステムデータなども表示されるため、動画内のカットやシーンに合わせたBGMの検索や、通常の動画だけでなくアプリやゲームといった映像にも活用でき、非常に使い勝手の良いサイトといえます。また海外のサイトではあるのですが、日本語にも対応しているため言語面でも快適な利用ができるでしょう。音楽に限らず、画像や動画も併せて効率的に素材収集をしたい、というユーザーにおすすめのサイトです。

しかし、標準ライセンスとプレミアムライセンスで利用範囲にかなり違いがあるため、利用の際はしっかりと確認をしプランの選択をしましょう。なお、定額プランは標準ライセンスの範囲内のため、より広範囲な特別ライセンスを使用するには、特別パックやEnterpriseプランへの変更が必要です。詳しくは以下の解説ページをご覧ください。

Shutterstock｜音楽素材：標準ライセンスVS特別ライセンス

【料金】

PremiumBeat

PremiumBeatは、先ほど紹介したShutterStockのグループ企業で、40,000点を超える楽曲の保有数と毎週150曲以上が新曲として追加される、高品質なBGM・SFX素材を提供するサイトです。ShutterStockと同様に、5秒／30秒／60秒のショートパターン、ループパターン、ステムデータなどが検索時に表示されるため、操作感の良いサイトです。そしてこちらも日本語対応がされているので、言語的な不便さは全く感じません。

ただ、料金プランによってのライセンス規定が細かく設定されており、契約したプランとライセンスが噛み合わない可能性もあるため、事前に細かくチェックしておく必要があります。プランごとの詳しいライセンスは以下でご確認ください。

PremiamBeat｜よくある質問 定額プラン

※画像｜PremiumBeat 再生リスト画面

また再生リストでは、月や週の人気曲やトレンドの曲など、エキスパートチームが厳選した楽曲を手軽に見つけることもできます。リストは頻繁に更新されるため、その時期に合った最適なBGMを探すのにとても便利なツールです。

【1楽曲ライセンス料金】

【無制限ダウンロードプラン】

Envato Elements

Envato Elementsは、BGM14万曲以上、約60万点のSEという膨大な楽曲数を使用できる最大級の素材サイトです。音楽だけでもこの量ですが、ここに動画や画像等も合わせ1,500万点以上の素材数が揃っています。そして、この素材数に対し料金プランが破格なことも最大の魅力です。

※画像｜Envat Elements 音楽検索条件画面

ただ、楽曲検索時に注意点があり、「P.R.O」「Content ID」の2項目を除外する設定で検索がされていないと、別途使用料がかかってしまったり、YouTubeで使用の際に著作権侵害で引っかかる場合や広告収入の配分が行われることもあります。権利の発生を望まない使用用途の場合は、画面左部の検索条件欄にチェックボックスがあるので、そこを選択状態で検索することで解決します。そのかわり希望通りの楽曲数は少なくなります。

【料金】

4.目的に合ったサイト選びを

動画におけるBGMは、視聴者の感情に影響を与え、コンテンツの効果を最大限に引き出すために不可欠な要素です。適切なBGMを選ぶためにも、無料のBGM素材サイトを利用するのか、有料のBGM素材サイトを利用するのかの判断も重要になってきます。

商用利用をメインとする企業の動画などでは、動画に最適なBGMの選曲、そして著作権侵害のリスク等の懸念などを排除するためにも、動画制作会社に依頼するかプロの音響効果（音効さん）に依頼を選択肢とすることもおすすめします。

無料と有料のBGM素材サイトを活用し、それぞれの特徴を比較して、プロジェクトに最適な音楽を見つけましょう。BGMの選び方にこだわり、視聴者に深い印象を与える動画制作を目指してください。

5.Q&A

Q1: 動画にBGMを入れることで得られる心理学的な効果にはどのようなものがありますか？

A1: 動画にBGMを使用することで得られる心理学的効果には、以下の4つがあります。

• マスキング効果：BGMで不要なノイズを隠し、音声を聞きやすくする効果。
• 感情誘導効果：BGMを使って視聴者の感情を引き出し、意図した感情反応を促す効果。
• イメージ誘導効果：BGMで動画やブランドのイメージを強化し、視覚的にも聴覚的にも印象を深める効果。
• 行動誘導効果：BGMのテンポや音量で視聴者の行動を変化させる効果。

Q2: 無料BGM素材サイトはどのような用途に適していますか？

A2: 無料BGM素材サイトは、個人の趣味や非営利のプロジェクト、小規模な動画制作に適しています。コストを抑えたい場合や短期間で多くの素材を確認したい際に便利です。ただし、商用利用には制限がある場合が多いため、ライセンスの確認が必要です。

Q3: 有料BGM素材サイトのメリットは何ですか？

A3: 有料BGM素材サイトの主なメリットは、高品質な楽曲を豊富に提供している点です。幅広いジャンルやスタイルのBGMが揃っており、商業利用にも対応したライセンスが用意されているため、安心して利用できます。また、クオリティの高いBGMを使うことで、動画の完成度をさらに高めることができます。

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